アラサーおにいさんの備忘録

アラサー独身おにいさん(おじさんではない)の雑記です。日々の雑記を書き連ねていきます。趣味は、自動車、バイク、自転車、ゲーム、資格取得などなど!

玉掛け作業技能講習を受けてきたよって話

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1月15日から1月17日までの3日間を使い、玉掛け技能講習を受けてきました。

2021年一発目の資格取得です。

いつかは受けとかなきゃなぁ…と思っていた講習の1つです。

 

緊急事態宣言が出ている中、中止しないでやってくれている教習所には感謝です。

人も意外と多くて、30人くらい受けに来ていました。土日を絡める講習はすぐ埋まってしまうほど人気です。

玉掛け技能講習自体も人気が高い…というか需要が高い資格です。すぐに定員に達してしまうので、早めに予約しておいた方が良いです。

 

場所はいつものIHI技術教習所。

IHI技術教習所

↑もういつものところなので、リンク貼っておきます。

ここの教習所は都内で比較的通いやすいし、土日祝日を絡めてくれる講習が多いし、技能講習の場所も同じ場所なので、好きです。

私はできる限りここで資格は取得しています。資格証が統合できるし。


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↑3日目の実習は東京センター分室でやります。東京センターから徒歩5分くらい

 

講習費用は22,000円でした。

受験資格は、ありません。誰でも受けられます。高校生だって受けることができます。

ただし、法律で実際に業務に就けるのが18歳以上からと定められているので、それまでは、修了証があっても作業に従事はできません。

工業高校の学生が団体受験したりするのが意外と多いのだそうで、講師の方もそのようなことを話されていました。

 

 

日数は3日かかります。

時間数的には、学科:12時間、実習:7時間です。

試験の時間などによって多少は左右します。

1日目と2日目が学科(座学)、3日目は実習です。

3日間とも、8:30開始~17:00終了という感じで、ミッチリやります。

 

クレーン免許や、小型移動式クレーンや床上操作式クレーンの技能講習修了証を持っていると、2日目の学科の午後の授業(3時間)が免除になります。力学についてです。

実習の方の時間は変わりません。7時間なので、朝から夕方までです。

 

上記の通り、科目免除はあるのですが、クレーン系資格を他にも取りたいという方には、玉掛けを最初に受けておくことを私はオススメしたいです。

 

荷物へのワイヤーの掛け方から合図の方法など……クレーンに関わるなら、まず最初に学んでおくべき事が玉掛け技能講習には詰まっていると言えます。

クレーンを動かすのも重要ですが、まずはクレーンに荷物を引っ掛ける方法を知らないと、どうする事も出来ませんよね。また、合図が分からないとどうしようもないですよね。

 

 まずは玉掛け技能講習を受けてから、必要に応じてクレーンの試験を受けて免許を取るか、それとも3日間の技能講習を受けるかを考えるのが良いかなぁと思います。

 

というのも、クレーン・デリック、移動式クレーンの免許試験では、玉掛け技能講習を受けていると、実技試験で合図の項目が免除になります。

床上操作式クレーンと小型移動式クレーンの技能講習では、学科が3時間、実技が1時間の計4時間が免除になります。

つまり、玉掛け→クレーン技能講習とステップを踏んだ方が免除される時間数が1時間が長いんです。

 

そういった理由から私はクレーン系の資格を揃えていくなら、まず「玉掛け」をオススメしたいです。

 

玉掛け作業の講習には、特別教育もあるのですが、クレーンの能力が1t未満ものしか玉掛けできません。それに取得に2日間かかるので、1日多くても技能講習を受けておいた方がクレーンの能力に制限がかからず活躍できるのでオススメです。それに、上記の、クレーン系の技能講習の免除科目も特別教育では免除して貰えませんし、クレーン免許試験の科目免除もできません。

 

ここで、気を付けて欲しいのが、技能講習と特別教育の差です。

特別教育と技能講習の境目である、"1t"という数値についてです。

これは、荷物も重さではありません。クレーンの能力です。

「クレーンの免許も既にあるし、1t未満の物しか持ち上げないから、2日間の特別教育でいいか…」と思っていたとしても、業務で使うクレーンの能力の定格荷重が1t以上であれば、技能講習を受けていないといけません。

 

 

 何ができるようになるの?

玉掛け技能講習を受けていると、全ての玉掛け作業ができるようになります…と一言で言っても、そもそも玉掛けって何?っていう人がほとんどだと思います。

そもそも玉掛けとは…というところから説明したいと思います。

 

 まず、玉掛けとは、クレーン等に物を引っ掛けたり外したりする作業の事です。

…それだけ?と思うかもしれませんが、それだけです。

 

でも、クレーンに荷物を吊るす…すごい簡単そうに見えて、危険な作業だっていうのはイメージでわかりませんか?

だって、数メートルを移動させるのであれば、まだ余裕な気もするのですが、タワークレーンなんかは、高層ビルの上の方まで荷物を吊り上げます。


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↑タワークレーン

吊り上げている途中に、荷物が外れたら、やばくないですか?絶対やばい。

荷物が軽くても、何十メートル上空から落ちてきた落下物は…

想像しただけでも恐ろしい。

 

まぁ、そんな超重要作業なので資格も必要になる…と。

 

先にも書いたように、玉掛け技能講習を受講しておくと、全てのクレーンに玉掛けができるようになります。荷物の重さではなくて、クレーンの能力です。

 

 

講習はどんな事をやるの?

講習は、学科2日間、実習1日間です。

特に難しいところはありません。学科は寝ないように頑張るのと、最低限講師が重要だと言ったポイントだけでも抑えましょう。

学科は講師の指示に従ってやりましょう。手際が悪くても安全であって、しっかりと手順を飛ばさずにやれば大丈夫です。

 

眠さ極まる学科

まず、学科についてですが、ワイヤーの種類や選定方法、玉掛けの種類、クレーンの種類、力学、法令など。

多分、法律で決められている時間数に対して重要なポイントが少ないというか、安全に作業に従事する為に絶対に覚えとかないといけない事が少なくて、割とどうでもいい事が多いので、余談が凄い多い授業でした。

 

テストも、そんな難しくありません。寝てた奴もなんだかんだ合格してたので、ポイントさえ押さえていれば別になんということはありません。だって四択の問題で6割取れれば良いんだし。

まぁぶっちゃけ、技能講習や特別教育の確認テストすら合格出来ない奴はマジで危険作業なんてやっちゃいけないと思う。危ない。

そう思います。

 

さて、1日目と2日目で学科が終了。

3日目からは、いよいよ実技になります。

 

機械的に覚える実技

実技になると、途端に不安に襲われる私ですが、終わってしまえば「こんなもんか」という感想です。不器用でも大丈夫でした。

別に重いものを持つわけでも無いですし、複雑な動きをする訳でもありません。

 

講習は30人居たので、1グループ10人に別れて実習です。

1グループで1台のクレーンを使います。

玉掛けの実習なので、クレーンは操作しません。

やることを大きく分けると、①クレーンへの指示、②玉掛けの実習、③質量目測、④ワイヤーロープの選定の計4点です。

①と②はセットという感じで、3人グループで役割を回してやります。

AとBとCがやった後は、BとCとDがやって、その次はCとDとEがやる…というような押し出し方式なので、ボッチにはなりません。

講習は、会社で団体受験している人意外は基本ボッチです。安心しましょう。

③と④は、実際の吊り荷を見て大体の質量を求めます。試験は、紙に書いて提出します。

 

①と②の玉掛け実習及びクレーンへの合図について

どんな事をやるか、書いてみます。なんとなくセリフで雰囲気を掴んでください。

※教習所によってやり方はちがうかもしれませんので悪しからず。

 

吊り荷を所定の場所から場所へ移動する…というだけです。大体1回あたり、6分~7分くらいです。

 

3人組でやるので、Aがリーダー(指示役)で、BとCが作業員としましょう。

 

リーダーが、みんなを集めて作業開始の号令をします。

A「これから、玉掛け作業を始めます。よろしくお願いします。」

B,C「よろしくお願いします。」

 

リーダーは、作業員にワイヤーに不備がないか確認させます。

A「それでは、Bさん、Cさん、ワイヤーの点検をお願いします。」

B,C「わかりました。」

 

作業員にワイヤーを確認させているうちに、リーダーは、持ち上げる物の重心と質量を目測し、指差呼称します。

A「質量、重心ヨシ!」

 

ワイヤーを自分でも一通り確認します

その後、作業員にワイヤーを玉掛けを指示します

A「Bさんは中からワイヤー入れて下さい。Cさんは外から」

B,C「分かりました」

 

リーダーは、作業員の玉掛けをサポートします。ワイヤーがズレないように軽く押さえてあげましょう

玉掛けが終わったら、作業員が終わった事を確認して指差呼称します

B,C「ワイヤー掛けヨシ!」

 

そしたら、リーダーはクレーン運転手(先生)に合図をして呼び出します。

呼び出したら、玉掛けができる位置までクレーンを移動させ、フックを下ろします。

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↑覚えるのはこんなもん。機械的に繰り返して練習するのですぐ覚える。

 

フックを所定の位置まで降ろしたら、作業員にアイ掛け(ワイヤーの○になってる所をフックに掛ける作業)を指示します。


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↑この作業

A「アイ掛けをお願いします」

 

作業員は、フックにワイヤーを掛けます。

 

リーダーは、フックに掛かっているワイヤーが重なってないか確認します。重なっていたら直します。

そしたら、クレーン運転手にチョイ上げの指示を出して、ワイヤーをピンと張らせます。

ワイヤーが張ったら、やる事が何個かあります。

1.しっかりと荷物にワイヤーがかかっているか確認します。ワイヤーがズレてしまっていたら、修正します。

2.クレーンが荷物の直上にあるか確認します。(荷物の直上に無いと、持ち上げた時に振り子のように揺れてしまうからです。)ズレていたら、クレーン運転手に指示を出して真っ直ぐにしましょう。

3.作業員に離れるように指示をします。離れたら、しっかり離れた事を確認します。

A「上げるので離れて下さーい」

 

作業員達がしっかりと離れた事を確認したら、地切り(地面から少し持ち上げる)をする為、クレーン運転手へチョイ上げの指示を出します。

 

荷物が持ち上がったら、荷物が水平になってバランスが取れていることを確認します。

A「水平ヨシ!」

 

ワイヤーを揺すってみて、しっかりと荷物にかかっている事を確認します。

A「ワイヤー張りヨシ!」

 

確認して問題なければ、クレーン運転手へ巻き上げの指示を出します。

腰の位置くらいまで持ち上がったら、移動先へ誘導する指示を出します。

枕木の上でストップし、積荷を下ろします。

完全に下ろしきる前にストップし、作業員に枕木の位置調整を指示します。

A「枕木の調整をお願いします。」

B,C「分かりました。」

 

枕木の調整が終わったら、クレーン運転手に、設置するまで下げの指示を出します。

荷物が設置したら、丸いものであれば輪止めをして転がらないように確認します。 

A「安定、輪止めヨシ!」

 

作業員へ、フックからワイヤーを外すように指示をします。

ワイヤーを外して貰ったら、クレーン運転手へ、巻き上げの指示をして、作業終了の合図をします。

作業員は、荷物からワイヤーを外して点検をします。

リーダーもワイヤーを一通り点検します。

最後に作業員を集めて、作業終了の号令をします。

A「これで、作業は終わりです。お疲れ様でした」

B,C「お疲れ様でした」

 

こんなことします。

文書で書くと長ったらしくて、すごい難しそうですね。

実際、試験で合図をミスってた人はいましたが、合格してました。

試験の1番のポイントは、安全か安全でないかです。荷物を持ち上げる時、作業員へ離れるようにしっかり指示すること。そして、離れた事を確認する事。です。人命第一です。モタついたからと言って減点はありません。

 

リーダーの時に採点されます。作業員はあくまで補助です。

これを一日に3~4回くらい練習しますし、人がやってるのを何時間もずっと見てるので何だかんだ出来るようになります。

大丈夫です。やるまで不安に駆られますが、おそるるに足らずです。

 

③質量目測について

次は、③の質量目測です。

いくつかある、荷物の大体の質量を予測します。

例えば、H鋼の重さ。

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↑これがH形鋼材、通称H鋼(エッチコウ)

これは、金属のプレート3枚がH型に組んであると考えればオッケーです。H鋼をばらして考えると、1枚の板になりますから、板厚を目測して、長さと横幅を求めて、×3したら、だいたい体積が出ます。

 

体積が出たら、比重を掛けます。

物質は各々重さが違いますからね。

木材と鋼材が同じ重さだったらヤバいでしょ?

 

体積(m3)×比重=重さ

です。


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↑これが比重表。材質によって重さが違うのはあたり前田のクラッカー。

 

例えば………0.5m(50cm)×0.2m(20cm)×2m(200cm)の細長い鋼材の重さを求めたい場合…

比重表によると鋼は1㎥あたり7.9tあるので、0.2㎥×7.9=1.58tonとなる訳です。

※1tonは1000kgなので、1580kgとなります。


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↑体積はこんな風に求められますね。

 

こんな計算ムリや!

そうでしょうそうでしょう。

私も無理でした。

スケールも持たずに大体の大きさを測るのは難しい。私も練習の時、全く合わなかったです。


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↑※スケール(コンベックス)

 

まぁ攻略法といえば、練習問題でやった問題がそのまま出るので、答えを覚えましょう。

8問の練習問題のうち、4問が出ました。

多少重く答えてもオッケーなので、キリの良い数字で覚えましょう。1200kgとか400kgとか200kgとか………

計算機も無いので、数字は覚えてしまいましょう。

講師推奨です。

どちらかというと、「このくらいの鉄の塊はこんな重さなんだなぁ…」というイメージする訓練ですね。

 

④ワイヤーロープの選定

これも、表が読めれば簡単です。

問題としては
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1.何本で吊るか「4本か2本か」

2.ワイヤーの角度(30°なのか90°なのか120°なのか)

3.吊り荷物の重さ

この3点の情報を与えられ、選定表を使用して、使用するワイヤーロープの直径を選定します。


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↑安全荷重表

例えば、2本吊りの60°で10tのものを持ち上げたければ、許容荷重が11.1tである28mmのワイヤーを使う必要がある。というような感じです。

 

これは、教習所によって見方が違ったりする可能性があるので、あくまで例です。

 

これは、教習所で使っている表の見方を教われば数値を読み取るだけなので簡単です。

 

以上が実技です。

わからない所があれば、先生に聞きましょう。

 

 

終わってみての感想

ということで、3日間の講習でした。

始まってしまうとあっという間でした。

学科は、他の技能講習と比べると、ゆっくりまったり進んでいきました。覚える内容が少ないんです。特に法令とかは範囲狭いです。

酸欠作業主任者とか、有機溶剤作業主任者等は、講習時間の割に覚える事が多くて、結構な急ぎ足で進んでいくんですけど、玉掛け技能講習は余談が多くて、眠くなってしまいます。

対して、実技はひたすら試験の流れを繰り返し練習する感じです。嫌でも覚えます。

だいたい1人あたり6~7分くらいで、交代や用意の時間などを合わせたら1人10分いかないくらいだと考えると、10人やって90分くらい。

作業員の役もやらなきゃいけないので、だいたい1時間に1回くらい練習する感じです。

それを3回か4回くらいやります。

後は質量目測とワイヤーロープの選定です。

 

質量目測は、初見だと、もうどうしようもないくらい合わないです。なので試験ではもう答えを覚えましょう。これは、経験が無いと難しいです。

 

ワイヤーロープの選定は簡単です。

表もシンプルなので、直ぐに読み取れます。

 

ということで、実技は自分で何かを操作する訳でもないので怖くないですし、スキルを要求されるものでもありませんから、比較的簡単です。

 

内容としては、クレーンの基礎中の基礎なので、クレーンに少しでも関わりのある人は技能講習を受けておいて損はありません。

現場に出ている人であれば、クレーンを直接使わなくてもクレーンに物を引っ掛けて屋上まで上げてもらったり、屋上の廃棄物をクレーンで降ろしてもらったりするっていう場面はありそうです。

なので、鳶職の方々は殆どの方が持っていますし、建設業界に居る人は持っている人が多いです。

また、工場や倉庫にも天井クレーンが設置されている場合がありますから、物流関係で働いている方々はもちろん、工場で働いている方々にもオススメです。


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↑倉庫/工場に据え付けてある天井クレーン

 

フォークリフト、クレーン、玉掛け………

少しでも物を動かす仕事をしているようであれば、持っていると重宝される資格ですね。

 

是非取ってお給料アップを目指して欲しいです。

私の会社は一銭たりともお給料は上がりませんが、講習料を出していただけるだけでありがたいです。お給料は上がりませんが。

 

はい。

 

今回はこのくらいにしておきます。