特に無線というものが好きという訳ではないのですが、陸と空を受けたので、最後は海や!ということで、受けてきました。
また、受けようと思った理由の一つとして、海上特殊無線技士の3級及び2級は2022年の9月からCBT試験で受けられるようになりました。以前は紙のマークシートでの集合試験で年2回だけでしたが、CBT試験になってからテストセンターでいつでも受けられるようになり、都合をつけやすくなったのも受験した理由です。
海上特殊無線技士とは?
法律の条文的には、第二級海上特殊無線技士は、下記のような事ができると書かれています。
海岸局及び船舶局の次の無線設備の国内通信のための操作
ア)1,605kHz~4,000kHzの電波を使用する空中線電力10W以下のもの
イ)25,010kHz以上の電波を使用する空中線電力50W以下のもの
海岸局及び船舶局のレーダーの操作
一言で言うと、船に積んだ無線設備を使用できるようになる…と。
↑こんなのが一般的な無線機らしい。
第三級、第二級、第一級と級が上がれば、扱える電波の強度も高くなります。他には、レーダー級というレーダーしか操作できないという海上特殊無線技士の資格もあります。
↑船舶用レーダー。日本無線製。
なんか、質素なビートマニアの筐体って感じ。
↑ビートマニア2DXの筐体。蠍火という曲はかっこよかったが、クリアできる気はしなかった。
第二級の操作範囲に、「海岸局及び船舶局のレーダーの操作」とある通り、出力5kw以上の大型レーダーを扱えるというのがあります。(レーダー級海上特殊無線技士の資格を包含している)これが、第二級の魅力の1つでしょう。たぶん。
自分は扱う予定も扱える自身もないですが…でも、レーダー扱えるのカッコよくないですか?
↑ドラゴンレーダー
活躍できる場としては、漁船とか観光遊覧船とかでしょうか。航空特殊無線技士よりは身近に感じます。
最近、観光遊覧船の事故もありました。死者も多く出ており、非常に痛ましい事故であったと記憶しています。
↑知床遊覧船 KAZU-1
知床遊覧船沈没事故(2022年4月)
社長が土下座してるニュース映像が印象的でしたね…
社長も船長も悪い人では無いと思うのですが、会社としての安全管理の意識の欠如、怠慢が問題の1件でした。
ここまで大きな事故になった要因の一つとして、船舶に積まれている無線設備が故障していて即座に緊急通信ができなかったという事もありました。
この事故を見返してみると、やはり遭難・海難事故への備えという意味で無線機は必須アイテムなんだなと感じました。
現在はこの資格ができた頃と違い、携帯電話がかなり普及しています。知床遊覧船の事故を見てみても、携帯電話で連絡を取ろうと試みたという証言もあります。
ただ知床遊覧船のルート範囲内は携帯の電波が入ったのかもしれませんが、携帯の電波はもっと沖に出た場合、届かなくなる可能性が高いです。携帯電話には、各地に設置された基地局を介して通信しています。
携帯会社も全く人が居ない海上のど真ん中に基地局は造らないですから、電波は通じなくなってしまう訳です。
そういうときに頼りになるのは、やはり無線機単体で遠くまで通信することができる、据付型の無線設備ということになります。
事業にしろレジャーにしろ、海に出る方は、無線通信術も併せて知識として持っておいたほうが絶対にいいと思います。
ちなみに、あの梶木漁太くんのお父さんも海難事故で亡くなっていますからね。
↑全国大会第三位の、梶木漁太くん
※遊戯王デュエルモンスターズ より
ちなみにみんな大好き激流葬も梶木くんのカードでした。お父さんを海難事故で亡くしてるのに、なんかちょっと不謹慎では?
↑モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時に発動できる。フィールドのモンスターを全て破壊する。
はい。話がそれました。
試験の流れとか
今回もテストセンターでパソコンを使ったCBT試験でした。
↑CBT試験というのは、パソコンで受ける試験のことです。
場所は、銀座の歌舞伎座タワーの5階でした。第二級陸上特殊無線技士の時も同じ場所で受験しました。ビルの周りの道路、土日は結構駐車可能な場所が多いです。
ちなみに、私はチャリで行きました。
真ん中に見える緑の部分が屋上庭園となっており、まったりできます。
第二級陸上特殊無線技士にチャレンジしてみたよって話 - アラサーおにいさんの備忘録
↑第二級陸上特殊無線技士の記事です。こちらも参考に。
自転車で行ったのですが、グーグルマップの予想到着時間を見て、そのとおりに出たら、私のスタミナが予想以上にクソだったらしく、予約していた時間を10分くらい過ぎてしまいました。
でも、なんとか受け付けてくれました。
ということで、16時からの回に予約していましたが、16時10分に受付。5分位で本人チェックと準備を済ませ、入室。
パソコンのログイン、操作チェックなど済ませて5分位。
試験時間は1時間ですが、途中入室だからって短くなりません。問題の一問目を表示させてから1時間です。
テストセンターなので、既に数人試験中の方々がいらっしゃいましたが、各々違う試験を受けています。
そんな環境なので、試験時間はマトモに1時間取れます。
でも、大体の人はそんは1時間もかからずに終わってしまうと思います。
私も、見直しなど含めて10分くらいで退出しました。どうせ試験問題も持って帰れないので、「もういいや」と思ったら早く出るのが吉です。
結果はいかに?
この試験の良いところは、試験の点数がすぐに出るところですね。終了ボタンを押したあとに出ます。
帰りに、試験の点数結果のコピーを貰えます。
結果は、105点…
前回の時は満点が何点か分からなかったのですが、 やはり全24問×1問5点で120点満点でした。
第二級陸上特殊無線技士を初めて受験した時は、 95点だったので、進歩が感じられた気がしないでもないです。
合格ラインは…
全体で、6割以上で合格だったと思います。
ただし、法規・無線工学の各々が4割以上取れていないといけません。
なので、全体120点の6割が72点なので、1問5点のこの試験では、75点(24問中15問)以上取れていれば、まぁ大丈夫ということですね。
4割の足切りを考えると、法規・無線工学の分野で各々60点満点中25点以上は最低必要ですから、片方が満点の60点だとすると85点以上であれば確実に合格していると言えますね。
数日経ったら、合格通知がメールで来ていました。結果は2週間以内に通知との事でしたが、早かったですね。
勉強法&勉強時間
試験問題の内容的には、 第二級陸上特殊無線技士や航空特殊無線技士と被る項目も多く、 どれか受験したことがある方は少し勉強するだけで受かると思います。
多分、他の2級陸上・ 航空特殊無線技士の内容と被る項目が4割くらい、 残りの6割が各々の特徴(法律や注意事項、 海上であればレーダーの見方、航空であれば航空無線の使い方等) が主です。
でも、そんなに問題のバリエーションは多くないので、 丸暗記で行けると思います。
やっぱり過去問ジャスティスなんだ。
こう見てもやっぱイマイチカッコよくないですよね。
勉強時間については、私は航空特殊無線技士を受けてきたばっかりなので、10時間もやってないと思います。
初めて受けるなら余裕を見ても1週間前から毎日2時間位過去問回して、試験前日に一夜漬けすれば十分間に合うでしょうか。
過去問については、特に何年分とかは考えていませんでしたが、 私は4年分くらいやったと思います。
活用方法としては、機械的に答えを暗記していくだけなので、問題と答えを印刷して、 問題の方に正解をマーカーで色を塗って回答を暗記していくという作業を行いました。
実際に試験に出たら問題&回答も過去問と一言一句同じ文面の問題も多く出題されていました。
過去問4年分くらいを一通りやって試験を受けてみた感想ですが…
・見たことがあって、答えに自身がある問題:10問くらい
・見たことがあって、答えにちょっと自信が無い問題:5問くらい
・見たことがあるけれど、忘れてしまった問題:5問くらい
・計算問題:1問くらい
・全く見たことが無い問題:1問くらい
こんな感じですか。
計算は、別に解けなくてもいいです。1問しか出ない割には、問題のバリエーションがいくつかあるので、解き方を数パターン覚えなければなりません。そこに脳のリソースを割くくらいであれば他の過去問を覚えたほうが良いです。
とりあえず、初受験で20時間、他の特殊無線技士を受けたことがある人は10時間もやればいけると思います。
感想・総括など
とりあえず、無線系資格の登龍門的な資格です。
ただ単に、一般人が無線機を使うということだけにスポットを当てると、特殊無線技士の資格で十分です。
タクシー無線や漁業で使う無線なんてのも特殊無線技士で十分に使うことができますから、取っておいても不足はないと思います。
海上レジャーで使う場合も、小型船舶免許と一緒に取っておけば、いざという時に安心かもしれません。でも、レジャーで使う場合に必要な資格は、アマチュア無線になりますけどね。多少は無線機の操作方法についても出題ありますから。
他の特殊無線技士の資格もそうなんですけど、この資格を取っただけでは、自分がどの無線機を操作できて、どんなことができるのかがまったく分かりません。
だって、過去問暗記しただけですから。
本気で無線を業務に活用していきたいという方は、操作方法しかり、操作可能範囲しかり、しっかり学び直さないといけないかなと思いました。
今回はこのくらいにしておきます。