最近、バイクという乗り物が人気ですね。
私も、もう一台買ってしまいました。
実際に購入したのは2021年の春頃だったので、もう1年くらいは乗りましたか。
別にエンジニア的なことも書きませんけど、「このバイク乗ってたぞ!!」という事をここに刻んでおこうと思います。
本田技研工業株式会社 CD125T
125ccクラスの、いわゆる原付二種と呼ばれている分類のバイクです。
主に都内での移動によく使っています。資格試験や講習の足、あと買い物の時とか。
遠出するには一抹の不安はあります。
特に雨降ったときはなんか調子悪くなるので、乗りません。(プラグコード裂けてるところにブチルテープ巻いたら良くなりました。)
もうこのバイクは皆に「いいぞー」と布教できるほど中古市場に台数も残っていないですし、パーツも無くなってきていますが、ちょっと紹介したいと思います。
というか、令和に平成生まれが昭和のバイクに乗るってなんかエモくないですか?
なんで買ってしまったのか
スーパーカブというアニメを見たのがキッカケで、「僕もカブほしい!」と思ったのがきっかけ。
は?と思うかもしれませんが、後で書きます。
50ccはYB-1あるし、普通に都内を快適に移動するならば125ccの方が良いかなぁ…
ということで、125ccのカブほしい!と思うようになりました。
↑ホンダ スーパーカブC125
かっこいい。今でも欲しい。
C125も良かったのですが、やっぱりハンターカブCT125というのがかっこよかった。
↑ホンダ ハンターカブCT125
125ccでも、乗り出し45〜50万くらい? そんなお金無かった。今でも無い。
普通のスーパーカブも探したのだけれど、原付二種クラスのカブシリーズは、古くても10万はゆうに超えていました。
「これ動くんかいな」と、思うくらいボロボロの車体が個人取引で7〜8万で転がってたくらい。
あとは海外生産の丸目じゃない不人気車種は安かった。確かに一目見た瞬間自分の探しているカブはコレジャナイって感じはあったので端からアウトオブ眼中でした。
↑コレジャナイ感MAXでアウトオブ眼中だったカブ110。やっぱなんか違うよね?可愛さがない………気がする。
そんな中、目に止まったのがこのCD125Tでした。安かった。10万だった。
ハンターカブを買えない自分の心を癒やしてくれる存在だと思った。
取り回しの良いビジネスバイクという括りではにたようなもんだろう。そう思った。
ホンダ ビジネスバイク 原付二種 で検索してみよう。
↑ホンダ CD125T
妥協に妥協を重ね、選ばれたのがコレ。
私が買ったのは、ダブルシートになっていて、荷台がなかった。積載性皆無。
でもこれ、125ccでパラツインなんですよ。
そこにオリジナリティというオンリーワン感を感じて、まぁこれなら………ということで決めました。
そんなこんなで入手してしまったCD125Tでした。
そもそもCDってどんなバイクなんですか?
↑私のCD125Tのロゴ。1980年頃のロゴだそう。
かつて、本田技研工業には、排気量によって、3つのバイクシリーズがありました。
ひとつは、みなさんご存じの通り、スーパーカブ。
小排気量の50cc~125ccクラスの、ベンリイ。
そして、250cc~クラスの、ドリーム。
今回ご紹介するCD125Tは、正式名称、ベンリイCD125Tという。
ベンリイという名前の由来は、もちろんあの「便利」という単語から来ています。このネーミングセンス、昭和感あって良くないですか?ドリームって名前の方がかっこいいですけど、ベンリイ………これはこれでアリな感じしませんか?
↑かつては、本田技研工業のホームページにベンリイちゃんと学ぶバイクメンテというページがありました。そのくらいベンリイという名前はホンダのバイクの名前として馴染みがあったのでしょう。
ベンリイという名前は、まだ聞いたことがあるかもしれませんが、CDというモデル名称は、聞いたことの無い方も多いのではないでしょうか。
実際、2022年7月現在では、CDというシリーズはもうありません。
※ちなみに、ベンリィという名前は一応残っていて新聞配達や郵便配達等に使用されているビジネス用のスクーターに採用されています。
↑ホンダ ベンリィ。イが小さいィになっている。スーパーカブと違い、ビジネス用途以外で乗っている人はマジで見たことない。
ホンダのネイキッドバイクといえば?と聞いてみると、大体の人は口をそろえてこう言うわけです。「ホンダといえば、CBでしょ」と。
その通りです。教習車に使われているあのバイクもCB400SFと呼ばれるバイクです。ロングセラー&ベストセラーバイクです。
↑CB400SF-K(教習車仕様のスーパーフォア)
それに、昨今流行りの東京卍リベンジャーズに登場するマイキー君の愛車もCB250Tです。
↑CB250T Hawk 通称バブ。
CBというのは、本田技研工業における4ストローク車のスポーツラインに採用される型式名称でした。
余談ですがスクランブラータイプ(ちょっとオフロード寄りのバイク)にCLというシリーズがありました。
↑ドリーム CL72
オフロード車のようなアップマフラーが特徴的。オンロード車をオフロードでも走れるように改造したのがスクランブラーの源流とのこと。これカッコいいなぁ………
じゃあ、CDって何なの?というと、ビジネスモデルに採用される型式名称でした。
ビジネスモデルってカブみたいな形のものを想像されるかもしれませんが、CDは思ったよりバイクバイクしい恰好をしています。
現代においては、「バイク」というとスーパーカブやスクーター以外のバイクは趣味の乗り物というイメージが強く、タンクが前にあってシートより前にエンジンがあるような跨るようなバイクバイクしいバイクがビジネス用とも考えにくいですよね。
↑タンクが前にあってシートより前にエンジンがあるようなバイクバイクしいバイク。CD125T説明書より。
ママチャリのような楽な姿勢で乗れるアップハンドル、フワッフワのシングルシートに、後ろにたくさんの荷物を積めるリアキャリア。そしてスーツに油が飛ばないようにする、フルカバードチェーンケース、革靴を傷つけないように、踏むだけでシフトチェンジできるシーソーペダル、発進と停止を繰り返す街中で使う事を想定されたロータリー式ミッション、泥はねを絶対にさせないという強い意志を持った形をした前後フェンダー。
ビジネス用バイクの特徴といったらこんな感じでしょうか。
↑2001年式の説明書より抜粋。形状としてはこんな感じ。
ちなみに他社にも、同じようなビジネスモデルのバイクがありました。
↑ヤマハ発動機のYBシリーズ(YamahaBusinessでYB)
↑鈴木自動車工業のコレダシリーズ(バイクといったらこれだ!!と世間に言われたい。そんな希望を込められたネーミング)
↑※ちなみに、YB-1もYB50と呼ばれるビジネス車をかっこよくしただけの物だったりする。中身はまるっきりビジネス用なのである。
そして、本田技研工業が発売したのが、このCDと呼ばれるシリーズになります。
私のCD125は、ハンドルは低めのコンチネンタルハンドルに換えてしまい、リアキャリアなしのダブルシート、前フェンダーはCBのメッキフェンダーを付けています。フルカバードチェーンケースも取っ払ってしまっていますので、あまりビジネスっぽい印象ではないですね。
↑またつまらないもの(ハンドル)を斬ってしまった………
こうやってカッコよくしていっても、中身は40年前のビジネス車なので遅いったらありゃしないです。
でも、マフラーくらいは交換したいなぁ………
CD125の歴史とは
ぶっちゃけ雑誌やネット記事に書かれていることがイマイチバラバラだったので、本当かどうか分からないのですが、ホンダのホームページを見てみると………
CD125は、1966年に初期型が発売されていたようです。
↑CD125(初期型)
1966年(昭和41年)といえば、うーん…調べてみよう…ビートルズが来日?おそ松くん放送開始?ピンとこない…
経済的には、日本の人口が1億人を突破し日本経済は、高度経済成長期が始まったらしい。3C(カラーテレビ、クーラー、カー(車))という言葉は、近代日本史の授業で聞いた記憶もあるのでは?
CD125は、そんなイケイケ状態の日本を支えるために生まれてきたバイクなのでありました。
そして、CD125はマイナーチェンジを繰り返しながら長い間生産され続けたモデルであり、2003年まで生産されていました。
という事は、日本の高度経済成長からオイルショック、バブル経済&バブル崩壊、そして失われた20年(の前半)を経験してきたモデルともいえます。
そのマイナーチェンジの中には、オイルショックによる燃費改善や環境性能の対応等様々な苦労もあったことでしょう。
近代日本の荒波に揉まれたにも関わらず大きなモデルチェンジをせずに40年も生産され、日本を支え続けた凄いバイクなのです。
このバイクは「一般企業だけでなく、官公庁、警察にも採用されたなんでも屋さんでもあった。」と、なんかの資料に書いてありました。
当時、同じビジネスバイクであるスーパーカブとどのように差別化して売られていたのでしょうか。知っている人が居たら教えて欲しいです。
当時の資料なんて全く出てきませんし、このバイクに業務として現役で乗っていた人たちも会った事がありません。どのように使われていたのか、どのような人が乗っていたのか…など気になるところではあります。
私のCD125Tちゃんは?
私のCD125TはCD125Tの中でも2型と呼ばれる、1979年式の車体だと思われます。
初期型のCD125は先ほど紹介したもので、1977年にはCD125Tと末尾にTがつくように型番が変更になります。(サイドカバーにはCD125としか書いてありませんが)
↑初期型(1977年)
↑2型(1979年)
初期型は、レッグシールド(左右に張り出した白いカバー)がありませんでした。
1979年にモデルチェンジが行われ、レッグシールドが標準でつくようになりました。
雨や風が足に当たらなくて良さそうですね。
初期型と見分ける方法としては、レッグシールドを取り付ける用の穴がある、タンクのシールのデザイン、サイドカバーのデザインなどで見分けがつきます。
このことから、私のCD125Tは1979年発売の2型かと思われます。
今が2022年だから約40年ですか。旧車に半分足を突っ込んでいる感じです。ネオクラ?いや、シーラカンスのような形を変えずに生き残ってきたクラシックバイクだと思います。
デザイン
デザインは、ビジネス車なので洗練はされてはいませんね。いい意味で無骨です。
今の樹脂に囲まれていかにも軽そうな感じとは正反対で、鉄のカタマリ感がすごいです。
色は、ブラックオンリーです。ビジネス車に多色展開など不要。最もビジネスの場になじむ黒のみ。コンサバティブな感じでいいんじゃあないでしょうか。これは、他社のヤマハのYB、スズキのコレダシリーズも同じくブラックオンリーの展開でしたね。
↑スーツにも似合う。今度スーツでツーリングしてみようかな。
ただ、個人的にはこの無骨なデザインの中にトラディショナルなイギリスチックな部分も見て取れて、結構好きなデザインではあります。
スピード
ぶっちゃけ遅いです。すべてがモサァっと動きます。運動性能は最悪です。コーナーでは少し倒しこむとセンタースタンドを擦ります。まぁそもそもが倒しこんで曲がるようなバイクではありません。街中で荷物を積んで移動する為のバイクです。
峠道で倒しこむと恐怖感すら覚えます。なかなか曲がってくれません。
セルフステアという言葉はこのバイクにはありません。そもそもバンク角が全然取れない訳ですからしょうがない。私にライディングテクニックが無いというのは勘弁。
最高速度はだいたい80kmがいいとこです。メーターでは90kmくらい行くんですけどね。ハッピーメーターですね。私のCD125Tにはまだ巡行用の5速オーバードライブが無かった為、ギア比の関係上から100kmは出ないと思います。
燃費
燃費は私のCDについてるメーターのトリップメーターが壊れているので分からないですが、都会のストップアンドゴーが激しい街中オンリーの使用で1Lで22km~25kmくらいでしょうか。約40年前のバイクと考えれば結構良いのではないでしょうか。
エンジン
エンジンは4サイクル124ccSOHCの2気筒(パラツイン)の360度位相クランク。
必要十分の12馬力。トルクは0.96kgf·mを7000回転で発生。ニュートンに変更すると9.41N・m。
最近のバイクと比べると心許ない気もしますが、普通にまったり乗るなら十分でしょう。
というか、125ccでツインってエンジンってなかなか無いのでは???
小排気量のビジネス車といえば、リアキャリアに重い物括りつけて運ぶためトルク重視の単気筒なイメージが強いです。しかし、単気筒だと振動がどうしても大きくなってしまいがちです。CD125は2気筒であるので、比較的振動は少ないです。
エンジン自体もヒュルヒュル…と静か~に回ります。鼓動感なんてクソくらえって感じです。たまに信号待ちでエンジンが静かすぎて止まっているのか動いているのか心配になってアクセルを捻って確認するくらいです。そのくらい振動が無くて、静かです。
低回転で街中を走るぶんには新聞配達のスーパーカブより静かです。
ちなみに、このエンジンを180度クランクに変更したものでCB125Tというスポーツバイクがあります。通称ミニバブと呼ばれています。
180度位相クランクの方が高回転まで回るのでスポーツ向けといわれていますが、なんで高回転型なんでしょうね。最近はNinja250にしろYZF-R25にしろ180度位相クランクが多いですね。180度位相のクランクでは不等感覚の爆発が特徴的です。ダダッダダッという感じ。最初の爆発から1気筒が180度回転した時点で2気筒目が爆発してその540度回転後に1気筒目が爆発するという方式です。よくわかりませんね。はい。
対してCD125Tに採用されている360度クランクは、単気筒と似ており低速からトルク重視のエンジンです。等間隔の爆発が特徴です。
単気筒がドッドッドッドッという感じであれば………
2気筒がドドドドドドドドという感じで、単気筒でドッと1回爆発している間に2気筒はもう片方の気筒が爆発しているので連続した爆発音になります。
1サイクルが720度の回転で完了する4サイクルエンジンにおいて2気筒あって360度の違いで爆発するとなると、爆発が等間隔になるんですね。
CD125Tも排気音だけ聴くとポポポポポポポポポというちょっと頼りない排気音ですが、等間隔のリズムがなんか心地良いです。
ギアー
ギアは4速、かなりトルク重視のローギアードです。
ローギアードなのはもちろん、このバイクの運用用途である「ストップアンドゴーが多い街中で重い荷物を運ぶ」というためです。スピードは重視されていません。
この超ローギアードな4速ロータリー式シフトにシーソーペダルが組み合わされており、前を踏むとシフトアップ、後ろを踏むとシフトダウンとなります。
ギアの操作方法はスーパーカブと同じですが、スーパーカブと違い、クラッチがついているので、小型自動二輪免許でもマニュアル免許でないと乗れません。なので、このバイクに乗るほとんどの人は普通自動二輪免許で乗ることになるでしょう。かつては、免許区分が無かったので排気量なんて税金の違いでしかなかったんですね。だから需要が今よりあったのかもしれません。
最近だと125ccのMT車は輸入車がほとんどですね。東南アジアとか中国で販売されているようなやつを日本に持ってきたようなやつ。
ギアーの話を出したので、ロータリー式ミッションの話をしておきたい。
ネットの記事を読んでいると、ロータリー式ミッションとシーソーペダルをイマイチ理解していないものが多い感じがします。
そもそもロータリー式というのは、ギアの変速方式です。
シーソーペダルというのは、ただのそういうペダルの形のことです。
なので、ロータリー式と対比されるのはリターン式であってシーソーペダルではありません。
リターン式の変速方式でシーソーペダルを採用している例もあります(GB350とか)
↑GB350のシーソーペダル。
これは、リターン式なので、教習所で使うバイクと同じ変速方法。でもシーソーペダルを採用している例。
まぁ、ロータリー式=シーソーペダルってイメージがあるのも確かですけどね。
シーソーペダルとは…
バイクはギアの操作時にどうしてもチェンジペダルを踏むだけでなく足の甲で蹴り上げる必要があります。なので、革靴とかお気に入りの靴を履いていると、靴の表側に傷がついてしまいます。
それを防止するため、靴の底で踏むだけでギアチェンジできるようなシーソーペダルというものが開発されました。
↑CD125Tのシーソーペダル
ステップの前と後ろに踏むところが用意されています。
GB350と同じように前と後ろに踏むところがあるペダルですが、変速方法はCD125Tがロータリー式で、GB350がリターン式と違いがあります。
関係ないですが、終電に乗って家まで歩いている時に、シーソーペダルみたいな水栓がありました。写真におさめてしまいました。
↑これ、どうやって使うんだろう………
ロータリー式とリターン式の違いとは…
バイクのギアの変速方式にはロータリー式とリターン式というのがありまして、CD125や、スーパーカブ等のビジネス車には、このロータリー式が使われていることが多いです。
ロータリー式は、
N⇔1速⇔2速⇔3速⇔4速⇔N⇔1速⇔2速⇔3速⇔4速⇔N→…
と前のペダルを踏み進めていくとこのようにロータリー(回転)していく。これは街中で巡航ギアの4速で走っているときに信号が赤になったときに、そのまま前のペダルを踏むとNになるので足を一回動かすだけ(前のペダルを踏むとニュートラルになる)で良い。なので、街中でのストップ&ゴーが楽なのである。
対して普通のバイクに採用されているのはリターン式と呼ばれ…
1速⇔N⇔2速⇔3速⇔4速
と、4速から一発でNに入れることはできない。なので、信号で止まるときに4速からNにしたいときは、ガチャガチャと3回ペダルを踏まないといけません。
教習車もこの形式なので自動二輪免許を取った事のある諸兄であれば理解できるでしょう。
スーパーカブにしか乗ったことが無いから分からない?知らんがな。
ちなみにスーパーカブは全てロータリー式ミッションです。
ロータリー式は、普通のバイクに採用されているようなリターン式と比べ、踏むだけでギアをNに入れることができる、またもう一回踏むと1速からスタートできるという特徴から、街中での運用に適しています。
また、ロータリー式の場合小排気量車でギア数が多くないのが特徴です。ほとんどが50cc~125ccまでの3速か4速です。
ロータリー式が採用されているバイクは街中で使う想定なので、MAXでも60~80km/hくらいのスピードでの運用が想定されています。そもそもが重い荷物を運んだりできるようにかなりローギアードの設定なので、すぐにトップギアに上げる運用になります。
↑こんな積載しても走れるようなギア比なんですよ…
ロータリー式の真価はトップギアからNに1操作で入るという点です。その最大の利点を活かせるのが小さくてローギアードなビジネスバイクなのでしょう。逆に高速巡行用の6速ギアから1速に一気に入れるシチュエーションって無いでしょ。そもそも普通のバイクだと街中でトップギアまで使いきることもそんな無いですよね。
だから街中で性能を使いきれるようなギアにロータリー式ミッションを組み合わせるのは合理的なのです。
車体重量
CD125Tの車体は、125ccにしては重く、大体140kgくらいだったと思います。
最近流行りのPCX125で132kgです。
ちなみに、中型バイクのSR400が180kgくらい、エストレアが160kgくらいです。140kgであれば女性でも余裕で取り回しは可能ではないでしょうか。誰にでもフレンドリー。気軽に乗れるオートバイ。いいじゃないですか。
でも、さすがに最近のバイクと比べると140kgという重量は125ccにしては重い気がします。造りを見てみれば、何から何まで鉄でできているので、重いんだろうなぁとすぐに分かります。
良い方に捉えれば、タフで無骨。速度を出しても安定すると言ったところでしょうか。
ちなみに、YZF-R125で139kgです。GSX-R125で134kg。でも、このあたりは水冷フルカウルですから、多少重いのは仕方ない。
ちなみに、最近の同じようなビジネス車と比較すると、カブ110で100kg、ベンリィ110で120kgくらいです。
やっぱCD125Tって重いわ…
ブレーキ性能
ブレーキは、前後ドラムブレーキです。効きはお世辞にも良いとは言えず、ぬちゃぁっ…スーっ…というような感じで効きます。重量も相まってなかなか止まりませんから要注意ですね。マジで思っていた以上に止まらないので車間距離を十分に取らないと危ないです。まぁ昔のバイクですから期待はしてはいけません。
全体的な操作感・その他
操作感は全てラフです。アクセルはモッサリ。ブレーキの効きは甘い。車体の重さも相まってスピードを出しすぎると危ないけれと、そもそもそこまでスピードは出ない。ギリギリこの現在の交通事情についていけるか?といったところです。
ハンドルは純正はアップハンドルとなっており、操作はしやすいです。まさにママチャリ感覚。街中を移動するには最高だと思ういます。
信号での停止&発進加速でシフト操作が多くなる街中で扱いやすいロータリーシフトに、革靴を傷めない踏むだけでシフトアップ/ダウンできるシーソーペダルの組み合わせはビジネスバイクの王道です。ツーリングにおいても、足の甲が痛くならないのでメリットはあります。
スーパーカブやスクーターとは違い、クラッチがついているのでバイクらしいダイレクトな操作が出来るのも魅力的です。しかし、アシストなんて無いので125ccの割には結構重たく、長距離走っていると少し疲れます。
エンジンは不快なアイドリング時の振動はほとんどありません。360度クランクのエンジンに、加速重視のギアが組み合わさり、小排気量でもトルクフルで乗りやすいです。
そのエンジンに静穏性が高い2本だしのマフラーが組み合わさり早朝・夜中でも気兼ねなく住宅街を走れそうです。
ネガティブな点といえば、エンジンが冷えているときの始動性は最悪。真夏でもチョークを引かないと始動しません。そしてエンジンをしっかり暖機しないとアイドリングが安定しません。これぞ昔のバイクって感じですが。
いろいろ調べたのですが、冷間始動の悪さはCD125共通で悪いらしいですね。しょうがなし。
最後に
乗り物の発展というのは、まず最初に、「実用」を第一に考えて発明されてきました。
バイクにおいてもそれは同じで、最初は自転車にエンジンを載せて馬の代わりとして使用されてきました。
ということは、数あるバイクの種類の中でも実用的なものこそが、その乗り物の原点に触れられる乗り物であると私は考えます。カッコよさやスピードより、耐久性や実用性を重視したそのスタイルはより人に寄り添ったカタチだと考えられる。と思うわけですよ。
このCD125Tもかつてはスーパーカブと双璧を成す程のビジネスバイクの代表だったらしいです。
↑拾い画像ですが、カブ、CD、ジャイロキャノピーは3大ビジネスバイクなのでしょう。
このCD125Tは、昔ながらのトラディショナルな形でクセもなく乗りやすいバイクだと思います。扱いやすいから形を変える必要が無く、マイナーチェンジを繰り返しながら約30年も愛され生産が続いていたのだと思います。
スーパーカブは50年経った2022年でも生産は続いていますけどね。
スーパーカブは、小型二輪のオートマ免許で乗れたり、アンダーボーンフレームで跨ぎやすいスタイルであったりなどCDシリーズと比べると更にフレンドリーで扱いやすいバイクなので、この時代にわざわざCDを選ぶ理由も無いんでしょうね。なので、CDシリーズは淘汰されても仕方ない気もします。
といっても海外ではまだまだこういうバイクは人気があるのか、CG125という少しクラシカルなデザインのバイクが根強く生産されていますけどね。
↑CG125。新興国ではカブに続く人気車種らしい。
私のCD125Tは、約40年前の老体にも関わらず耐久性に関しては抜群でこんな昔のバイクでも致命的な不具合はなく、元気に動いてくれています。オイル交換と油脂類の交換さえしっかりすれば一生使えるのではないかと思えるほど。今の樹脂製のバイクと見比べると、タフさがその外見から見て取れます。いつしか世界が終わりを迎えてもこのバイクは動き続けてくれそうな感じです。最近のチャラチャラしたバイクなんかに負けてたまるか!遅くても耐久性だけは負けない!車体も、朽ちてたまるか!という気概が感じられる素晴らしい車体であります。
エンジンを回して一所懸命、主を目的地まで運んでくれようとしてくれる様は、「CDおじさん、頑張れ〜」と乗っている自分が応援したくなるそんなバイク。
↑田舎のどこかで………
ということで、意外と私はこのバイクを気に入って乗り回しています。
こいつは壊れて走れなくなるまで面倒見ようかな。でも、欲しい人がいれば売ってしまいそうな気もします。
自分より愛してくれそうだなという人が見つかれば、それは手放し時なのかなって思います。特にこういう古いものはそう思います。
今回はこのくらいにしておきます。