第二級陸上特殊無線技士の試験は、令和3年の4月からCBT方式で受けられるようになりました。
CBT方式というのは、パソコン教室とか各所に設けられたパソコンが並んだ試験場みたいなところでパソコンを使ってポチポチ受ける形式ですね。教習所の学科試験の効果測定みたいなイメージでしょうか。
CBT試験は試験の枠が多く、席が空いていれば結構直前の申込みも対応しています。
私は、この第二級陸上特殊無線技士を申し込んでから、試験まで一週間ちょいしかありませんでした。
そんで、攻略できるのかってハナシよ。
第二級陸上特殊無線技士を受けようと思ったワケ
私は、第4級アマチュア無線技士を取得しています。アマチュア無線は趣味でしか使えません。(正直使ったことも使う予定もありませんが)
業務で使うとなると、特殊無線技士なり総合無線通信士などの資格が必要になってくるわけです。流石に総合無線通信士の資格は結構難易度が高くて、それなりの労力が必要になりそうなので、とりあえず比較的難易度が低い陸上特殊無線技士を目指してみようかと思いました。
というのが、試験日まで2週間切った時にふと思ってバタバタと申込みしたわけです。
そして、ネット記事に第三級陸上特殊無線技士と難易度殆ど変わらないから、二級を受けたほうが良いよってしきりに言われてたので、二級にしました。
難易度みたいなところは、ぶっちゃけ比べたことが無いので分からないのですが、結局過去問覚えればオッケー的な感じで書かれていたので、そこまで不安はなかったです。
といっても、過去問読んだらちんぷんかんぷんで、全く頭に入ってきませんでしたケド。
二級は三級で操作できる無線設備も操作できるので、三級の上位資格となります。
ちなみに一級は、CBT試験に対応していなかったのと、二級までの試験と比べると難易度爆上がりとのことだったので避けました。CBTではないと、平日試験だし晴海とかいう電車で行くにはかったるいクソみたいな場所まで受けに行かなくちゃいけなかった気がするのでハードルが個人的には高い。
というので二級に落ち着きました。
やっぱ過去問ジャスティスなのか?
ネットでいろいろ調べていると、過去問からの出題が多くを占めるため、過去問をやり込むのが一番の近道だというハナシは多いです。
なので、私は今回参考書や問題集を購入しませんでした。
ネットに落ちていた過去問のpdfをうちだして、正解にマーカーして、それを徹底的に覚えるというなんの知識もつかないであろう方法で挑みました。
↑こんな感じ
確かに、過去問を2〜3年分(年2回)繰り返しやってみると見たことのある問題がポツポツとありました。
特に、法規の方はそこまでパターンが少ないのか、2年分ですから、4回分くらいやると、もうほとんど解けるようになります。
逆に無線工学の方は少し心配です。ちょっと捻ってきたり、パターンが多かったり、似たような語句があったりなど、迷う問題が多いです。ただ、無線工学においてもほとんどは過去問から出題されているようで、合格点には届きそうかな…という印象です。
なので、この試験の攻略法は過去問周回でジャスティスです。
なんとなく思い出せるように、覚える用語メモだよ
ということで、以下は私のメモ的なものです。多分、これを覚えておけばイケると思われる用語を抽出しました。
★の数は、なんとなく多いな…と感じた問題についてつけています。
無線工学
図面の問題 1/2抵抗R:2倍
図面の問題 P=E2/I
図面の問題 15μF・12μF(どれか)
図面の問題 NPS:コレクタ・ベース・エミック (コベエの組み合わせで覚える)
図面の問題 トランジスタFET:ゲート・ドレイン・ソース (ゲドソの組み合わせで覚える)
図面の問題 合成抵抗:5.6kQ、3kQ
図面の問題 トランジスタ:ICはIBよりも小さい。
図面の問題 ICはIEよりわずかに大きい
イラストの問題 八木宇部アンテナ:左側が大きいプッカ(お菓子のぷっかみたいな形を選択)
イラストの問題 ブラウンアンテナ:〇〇
イラストの問題 PSK
イラストの問題(パルス幅):B
イラストの問題 ガードタイム:TDMA(ただまぁてわ覚える)
イラストの問題 搬送波レベル:160V
1/4波長垂直設置アンテナ(誤り):電流分布は先端で最大、底部でゼロとなる
スーパーヘテロダイン受信機(正しい):中間周波出力信号から音声周波数の信号を取り出す。
VHF(誤り):伝搬途中の地形や建物の影響を受けない。
VHF(誤り):アンテナの放射角度を高角度にする。
SHF(正しい):回折などの現象が少なく直進性がよい。
SHF(誤り):豪雨、豪雪でも小さな目標を見分けられる。
電源ハム:平滑回路
VHF現象:電波が回折する。★
AM(A3E):占有周波数帯幅が狭い。
IC(誤り):大容量、かつ高速な信号処理回路が作れない。
150MHzブラウンアンテナ:0.5m
インターリーブ、元の順序に戻す
6V、10時間率:10時間★
充電可能:二次、リチウムイオン蓄電池★
高調波電流の測定:熱電対形電流計
DSB:2fs★
TDMA:極めて短い時間(タイムスロット)
デジタル一般的な特徴:信号処理による遅延がない。
QAM:振幅・4
穴埋め問題 構成図の問題:IDC回路→周波数変調器→周波数混合器→電力増幅器→アンテナ
穴埋め問題 構成図の問題:標本化回路→量子化回路→符号化回路★
穴埋め問題 構成図の問題:中間周波増幅器→振幅制限器→周波数弁別器・スケルチ回路→低周波増幅器→スピーカー
穴埋め問題 構成図の問題:水晶発振器→周波数変調器・IDC回路→変調出力
静止衛星通信(正しい):地上での自然災害の影響を受けにくい
静止衛星通信(正しい):使用周波数が高くなるほど、降雨による影響が大きくなる。★
静止衛星通信(誤り):衛星の太陽電池の機能が停止する食は、夏至及び冬至の時期に発生する。
パルスレーダー最小探知距離:パルス幅★
パルスレーダー最大探知距離:パルス幅を狭くし、パルス繰返し周波数を高くする。★
FM送信機一定の周波数偏移内:TDC回路
FMプレストークボタン:アンテナが送信機に接続され、送信状態となる。
FM信号対雑音比を改善する:振幅制限器
FM一般的な特徴:占有周波数帯が狭い
レーダー受信機:内部雑音
AM変調:振幅・FM変調:周波数
緩衝増幅器:後段の影響により発振器の発振周波数が変動するのを防ぐため
ブラウンホイップ:垂直・水平
トランジスタFET:ゲートベース
電流(直列)、電圧(並列)、直流(極性)
薄い、ベース、コレクタエミッタ
光を感じて:ホトダイオード
PCM(用いられない):伸長器
鉛蓄電池:1つのセルの端子電圧が2.8Vになった
法規
能動的
変更を受けようと:総務大臣に電波の型式及び周波数の指定の変更を申請する。
変更の工事の許可:総務大臣の検査を受け、当該工事の結果が許可の内容に適合していると認められた後
免許の有効期間:5年★
周波数の偏差及び幅、高調波の強度等★
25,010kHzから960MHzまで★
電話の電波形式:F7E
陸上の無線局に該当:基地局
免許証:携帯する。★
講習:6箇月★
第二級陸上特殊無線技士:50ワット★
無線電話通信:1回
免許を与えない:無線従事者の免許を取り消され、取り消しの日から2年を経過しない者
失った免許を発見した:発見した日から10日以内に発見した免許証を総務大臣に返納する。★
免許証を総務大臣に返納:免許証を失ったためにその再交付を受けた後失った免許証を発見したとき★
無線従事者の定義:無線設備の操作又はその監督を行う者であって、総務大臣の免許を受けたものをいう。
無線通信の原則:必要のない無線通信は、これを行ってはならない。
免許を取り消されることがある:不正な手段により無線従事者の免許を受けたとき。★
免許を取り消されることがある:電波法に違反したとき。★
電波法に基づく命令に違反:無線局の運用の停止★
電波の質が適合していない:臨時に電波の発射の停止を命ずる。★
無線従事者の選任、または解任:遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出る。★
免許状を1箇月以内に総務大臣に返納:無線局を廃止したとき。
疑似空中線回路:無線設備の機器の試験又は調整を行うために運用するとき★
臨時検査(検査される):無線従事者の資格及び員数
定期検査(検査されない):無線従事者の知識及び技能
住所の変更:免許状を総務大臣に提出し、訂正を受ける。★
検査の結果措置をしたとき:速やかにその措置の内容を総務大臣に報告する。
こんな感じでしょうか。
まぁこれさえ覚えれば…なんて無責任な事は言いません。
兎にも角にも自分で過去問にマーカーで色塗りして覚える。この作業をすることで、なんとなく覚えられる気がします。
結果的なあれこれ
CBTの試験ですから、採点結果がその場で出ます。
↑こんな感じで、現地で試験結果レポートなるものを貰えます。
ただ、これで合格・不合格というのは出ません。それは後で届くようです。1ヶ月を目処に…とのことらしいですが、意外とすぐに結果は出ました。
↑こんな感じで登録したメールアドレスに正式な結果がPDF形式で送られてきます。
4月16日に受けて、4月19日には結果が出たので、実質3日ですね。
ちなみに、合格ラインは、国家資格らしく全体で6割以上です。
無線工学・法規で各々4割未満で足切りがあります。
なので、現地で出るレポートで際どい点数だと受かってるか落ちてるかというのが分かりません。
この試験は………
無線工学:60点満点
法規:60点満点
各12問(1問5点として)
計24問の120点満点
という感じです。
なので、95点だと、法規60点満点だとしても無線工学が35点で足切りには引っかからないので、合格してるというのがその場で分かります。
際どい点数というのは、例えば80点とか。
法規満点の60点で、無線工学20点だとすると、無線工学で足切りされてしまうので、全体が66%だとしても不合格になってしまう可能性があります。
バランスよく法規40点、無線工学40点で計80点とかであれば、足切りには引っかからないので、合格となります。
5点刻みなので、各々25点取れないと足切りに引っかかってしまいます。つまり、85点取れてれば、法規と無線工学の点数が偏っていても、合格となります。法規60点の無線工学25点。全体で85点なので、70%となりますから、合格です。
試験を受けてみて感想など
CBTって結局どうなの?
今年の4月から陸上特殊無線技士の3級、2級は、CBT試験となりました。CBT方式ってどんなの?と気になる方もいると思いますが、特に難しくはありません。パソコンでアンケートに答えるようにポチポチと選択肢を選んでいくだけです。
私は、CBT試験はITパスポート以来でした。
特に困ることなく終了できました。
↑私は銀座の歌舞伎座タワーの試験場で受けました。少し早めに行って屋上庭園でまったりしながら過去問を眺めていました。
トイレ行ったりしてたら、結構ギリギリになってしまったのですが、ギリギリに行っても入室させてくれました。(もちろん時間に余裕を持っていくべきですが。)
受付さえしてしまえば、開始5分前だろうが、試験開始させてくれます。
席が空いてれば、どうぞ。って感じ。
パソコンの操作も特に難しくないですし、いざとなったら係の人に聞くこともできます。
それに、この試験は時間が1時間とたっぷりあるので、どんなに苦戦しても余裕だと思います。私は開始5分で解き終わってしまいました。
開始5分で解き終わって、見直しして、退席時の操作方法を確認して………そんなこんなやっても15分かかりませんでした。
終了次第いつでも退出できるのはCBT試験のいいところですね。
私が行ったときは人も少なくて、10台ほどPCが並ぶ部屋に私ともう一人だけでした。
受付した人からどんどんやってってって感じでしたから、席が空いていれば時間的にはルーズなのかもしれません。
持ち物は、免許証などの身分証明書があれば受けられます。登録したページの写しなども持って行ったのですが、全く不要でした。
受付で名前を言って、身分証明書を提示するとすぐに用意してくれます。
試験内容について
CBT試験になって、問題は変わったか?というのがこれから受ける人にとって心配な点だと思います。
ぶっちゃけ、ここ数年の過去問解いてりゃなんとかなります。出題される問題も変わりありません。やっぱり過去問ジャスティスです。
ぶっちゃけ法規はほとんどわかったのですが、無線工学がちょっと選択肢が微妙な問題が数問あったので、終了ボタン押すまで結構心配でした。
でも、なんとかなったので、法規、無線工学ともに過去問ジャスティスです。過去問やり込みましょう。
ただし、あんまり古い過去問(令和3年現在で言えば、平成28年度以前の問題)は、出題される問題傾向に少し違いがあるので、過去問5年分をやり込んだ方が確実です。
平成21年度とかも、ネットで過去問掲載されているサイトや、問題演習のアプリはあるのですが、法規が変わっていたり、最近の問題とは問題の文章が違っていたりなど、過去問をまるまる覚える派にとっては混乱のもとになるので、やめたほうがいいでしょう。
この試験は捻ったことをせずに、受ける試験の5年分を機械的に覚えていった方が合格率は高くなると思います。
実際に受けてみてそう思いました。
ということで、無線工学など内容を全く理解せずに、1週間も勉強せずに合格することができました。
勉強時間的には、10時間もやってないと思います。
上記でも書いたとおり、過去問の正解をマーカーで塗りつぶし、覚える。他の選択肢はアウトオブ眼中。この選択肢の文言どっかで見たな…という自分のデジャヴを信じることが合格への近道です。
とりあえず、なんとかなって良かったです。
また、免許申請時に記事を書くかもしれません。
今回はこのくらいにしておきます。