令和2年11月14日粉じん作業特別教育を受けてきました。
場所はいつものIHI技術教習所。
↑もういつものところなので、リンク貼っておきます。
今回は特別教育です。
講習費用は9000円なり。
時間的には4.5時間の教育です。
9時スタートで、15時30分くらいには終わりました。
私は8時に起きました。
講習場所まで原付で50分くらいです。
……………寝坊です。着いたのは3分前でした。間に合って本当に良かったです。
↑もし遅刻してたら僕もこうやって言ったら許してくれますか?
僕は許さんけどな。そもそも遅刻する女性とは絶対に相性良くないので付き合う事は無いでしょう。
こんなこと言ってるからモテないのでしょうね。
はい。
話がそれましたね。
当日の講習は私含め4人。別にコロナウイルスの影響で人数を制限してるとかそんなことではありません。
ただ単に人気が無いからですね。
玉掛け技能講習や、酸欠作業主任者やフォークリフト技能講習等の人気の講習に比べたら少ないです。
時期によりますが、人気の講習は10人以上はコンスタントに居ますから。
今回だと、4人×9000円=36000円
先生の人件費くらいしか出てないんじゃないか………心配になります。
お弁当はコンビニで買ってもいいですが、現地で仕出し弁当を500円で買うことができます。
ラーメン屋の券売機みたいなやつが置いてあります。
おかずは、日替わりなので選べません。
朝買っておかないと、昼休みに徒歩10分のコンビニまで歩くことになります。往復20分。
私は原付で来たので、特に苦でもありませんが。
公共交通機関を使う方はあらかじめ買ってくるか、朝教習所に着いたら、仕出し弁当のチケットを買う事をオススメします。
味は悪くないです。良くも悪くも普通です。
さて、講習内容の話をしていきます。
そもそも粉じんってなんなの?
↑粉じん爆発って言葉ぐれぇ、知ってるよなァ?
はい。
粉じん特別教育では粉じん爆発なんて教わりません。今回は無視無視。(そもそも粉じん爆発なんて超限定的な状況でしか起こらないので)
主に教わるのは、「粉じんが人体に与える影響と、その予防策」です。
そもそも粉じんとはなんなのかというと、その名の通り、粉のように細かい粒子、いわゆる塵(ちり)の事です。
↑これは黄砂だけど粉じんっちゃ粉じん
粉じんというのは個体だけで、液体は粉じんとは言いません。液体は霧とかミストと呼ばれます。
ウイルスは………まぁ広義では粉じんですかね。
ホコリや小麦粉なども、空気中に舞えば粉じんとなります。
ただ、ホコリは粒子が大きいので、肺にまで届きません。
そのホコリなどのほとんどが鼻や喉でキャッチ&リバースされています。
そう。今回の講習で特に気をつけるべき粉じんとは、肺にまで届いてしまうような、細かい粉じんについてです。
↑コカインは肺ではなく脳に届いてしまうから、今回の講習では対象外。
ただ、肺にまで入り込んだ粉じんも、実はそのほとんどが体外に排出されています。
だけど、"そのほとんど"です。
粉じんを毎日吸い込む仕事を何年も…何十年も積み重ねていると、肺に細かい粒子が溜まったままになり、流石に支障が出てきます。そう、エアコンや空気清浄機のフィルターの目詰まりみたいに。
なので、そういった粉じんから身を守る方法を知るというのが今回の講習の目的です。
特別教育を受けた者しか従事できない作業とは?
細かい作業は、法令のリンクを置いておきますが、まぁこんなの読むのはダリィ..._(´ ˇωˇ ) _ )_
関わりが多そうなのは………
トンネル内での掘削等の作業
金属を溶接する作業
金属を研磨する作業
粉っぽい原料を屋内で混ぜ合わせたりする作業
とかでしょうか。
私は………意外と当てはまるものが無かった。
普通のビルなどの工事現場ではなかなか当てはまりませんね。
解体現場でも当てはまらないです。
そんな中でも講習中に、特に注意された粉じん作業がありました。
それは、溶接作業。
↑くさそう
溶接作業する際には、ヒュームが発生します。
ヒューム………???
↑みんなのトラウマ、ヒューム・バーニング。※リンダキューブより
鬱ゲーと呼ばれているリンダキューブのラスボス。知らない方が幸せかも………
溶接作業するときに、金属蒸気が発生するのですが、それが空気中で凝固する事でめちゃくちゃ細かい固体になります。
↑こんな感じ。
ただの煙に見えるほど粒子が超細かい鉄粉。細かいということはつまり吸い込んだ時、鼻毛や繊毛などでは防ぎきれずに肺に入ってしまい、肺の中からも全てが吐き出されずに肺の中に堆積してしまいます。
それが悪さして病気になってしまいます。
鉄粉がどんどん肺の中に溜まっていくって、なんとなくでもヤバそうと分かりますよね。
粉じんによる病気とは
粉じんによる病気は、「じん肺」と呼ばれる肺の中に細かい粉じんが溜まってしまい、肺が硬くなってしまう病気に罹ってしまいます。
じん肺は、薬で治るものでもなければ、時が解決してくれる病でもありません。
粉じん作業から離れて何十年経っても回復することは無いそうです。
罹ったらアウト。一生じん肺と付き合っていくしかありません。
↑こんな感じ。粉じんが肺に入り込んで肺胞にくっつきます。それが排出されないため、肺の酸素と二酸化炭素の交換機能がだんだんと失われていってしまいます。
症状としては、粉っぽいところにずっといると、咳とか痰とか出て、息苦しくなってしまいますよね。
それがずっと続く感じらしいです。
辛そうですね。
一度なってしまうと治らないので、ちゃんと教育を受けて、予防策をしっかり実行して、こうならないようにしましょうよ。という話。
粉じんから身を守る方法とは?
じん肺にかからないためには、粉じんを吸い込まないようにするしかありません。
じゃあどうすれば良いのか………
まぁ、想像はつくかと思いますが、何個か書いておきます。
マスクをつける
そりゃそうだろ!って感じですが、シンプルイズベストな考え方です。
マスクを付ければ、粉じんはマスクで止まりますから身体に入ってくるのを防げます。
ただ、ずっと着けてると目詰まりするので、呼吸が苦しくなってきてしまいます。
フィルターの交換、本体は定期的な清掃をしなければなりません。
あと、最近流行りなのは電動ファン付きのマスク。
↑電動ファン付き呼吸用保護具
電動ファンが着いているので呼吸が楽です。
ファンがないと自分で吸わないといけませんから、特にフィルターの目が細かいものは疲れます。
一時期、コロナの影響でN95マスクとか、流行りましたね。
↑スペック厨御用達の医療用N95サージカルマスク
このN95というのは、試験粒子を95%以上捕集できるよっていう規格らしいです。
Nっていうのは、オイルミストはNGという耐油性が無いことを示しています。
粒子の捕集性能が高いということは、それだけマスクの目が細かいということになり、肺の膨張する力を使わないと空気は入ってきませんから、息苦しく感じてしまいます。
電動ファン付き呼吸用保護具は、マスクの中にファンの力でフィルターで濾過された空気を送ってくれるので呼吸が楽です。
建築工事の解体現場などでも、ほとんどがもう電動ファン付きのマスクを付けています。
私は付けたこと無いですが。
換気をしっかりする
粉じんって対策方法は凄いシンプルなんですよ。
ホコリだって粉じんですから、対策方法は同じです。ホコリぽかったらマスクを付けて換気をしっかりする。
併せて掃除もしっかりする。粉じんを扱う工場などでは週一で大掃除が推奨されています。
換気設備は、いろいろな考え方がありますが、プッシュプル換気設備というのが理想系です。
↑金はかかるが理想的
プッシュプルという名前の通り、送風機と排風機を合わせ、風の流れを作ることで粉じんを作業者に曝露させない換気方法です。
あとは、ドラフトチャンバーとかヒュームフードと呼ばれる設備ですね。
↑理科室とかにあるやつ。子供の頃は何に使うかよく分からなかった。
研究所や学校によくあるやつですが、機能的にはキッチンにあるレンジフードのもっと凄いやつと考えて貰えればいいです。
↑レンジフード。もっと手元まで囲われているのがドラフトチャンバーって感じ。
ドラフトチャンバーは手元まで囲われるので、実験などで発生する有毒なガスや粉じんを作業者に曝露させることなく排気してくれます。かなり高価なものなので、あんまり工場で使うイメージでは無いですけどね。
粉じんをなんとかする
結局のところ粉じんを何とかするに限ります。
そもそもの話、粉じんを出さない方法に作業方法を変更したり、粉じんが出ないような材料に変更する。粒子を大きいものに変えて、危険性を低くする………などなど。
まぁ、それができればベストだよねって話です。
あと粉じんに1番効果的なのは、湿気を含ませる。
↑濡らすのが手っ取り早い
濡らせば粉じんは飛散しにくいですよね。そういうものです。
土木工事の現場では、散水車や備え付けの散水設備を稼働させ、土埃が舞わないようにしています。
↑散水車。アクティオ(リース業者)ってちょっと高いんだよなぁ。個人的にいつも使っているのは西尾レントールかレンタルのニッケンです。
はい。
主にこんなことを学びます。
法令に関しては、正直大したことありません。
というのも、粉じん関係の法律に於いて、罰則があるものが無いんですね。
アスベストや有機溶剤等は、作業主任者を専任させる義務も有りますし、書類も多く、罰則等も定められていますが、粉じんはそこまで厳しくありません。
特に、今回の特別教育は、作業者へ向けて…というのが主目的な為、法令はそこまで深くはやりませんでした。
大体の事は書いてしまいましたが、続きは講習で!
是非現場で働いている方だけではなく、管理者の方々も受けてみて下さい。作業手順書とか作るヒントになるかもしれませんし。
今回はこのくらいにしておきます。