↑型枠支保工の教本に出てくる絵
最近になってやっと講習機関も再開されてきましたね。
講習はマスク必須であったりなど、少し煩わしいですが、それでも再開は少し嬉しいような。
車の教習所なども通常営業が始まったみたいで、 街中で教習車を見かける機会も多くなってきました。
そんな情勢なんですが、6/26、27の土日で型枠支保工組立等作業主任者の講習を受けてきました。
そもそもの話から入ると、この資格講習を受講するのに条件があります。
誰でも申し込んで受けられるという訳では無いんですねこれが。
①型枠支保工の組立て又は解体に関する作業に3年以上従事した経験を有する者
②学校教育法による大学、高等専門学校又は高等学校において土木又は建築に関する学科を専攻して卒業した者で、その後2年以上型枠支保工の組立て又は解体に関する作業に従事した経験を有するもの
③型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習規程第1条に定める者
という条件です。
①〜③のどれかに当てはまればいいので、だいたいは①の実務経験を経て受講する方がほとんどだと思います。
私もそうでした。③はよくわかりません。
という事は、申込時に実務経験証明書が必要なんです。書式は講習機関によって違うのでしょうけど、記載事項は大して変わりません。
で、その実務経験証明書には事業者の印が必要です。いわゆる丸印ってやつです。
事業者ですから、普通は社長。
支店や事業部などがある会社は支店長や事業部長などの役職の方々も事業者と認められます。
まぁこの辺で受講できる人はかなり限られてしまいますね。
さて、そもそも型枠支保工とは何なのかって話からします。
まず、コンクリートってドロドロなんですよ。
普段目にするコンクリートは、あんなにカチカチなのに。
↑固まる前はドロッドロ。
いわゆる生コンってやつです。
英語ではレディーミクストコンクリートって言います。既に混ぜられたコンクリートってニュアンスですか。
↑”生コン”!!!
工場でいろいろ調合されたあと、こういうコンクリートミキサー車で練り混ぜられながら現場まで運ばれてきます。
機器の基礎くらいであれば、現場練りで済ましてしまうのですが、建物を建てるときは尋常じゃない量のコンクリートを使いますから、工場で作ってミキサー車に載せて現場に持ってくるのが一般的です。(70〜80年前は建物も現場練りだったらしいですが)
施工性もあるのですが、現場練りより工場で正確な分量で配合されたコンクリートは品質が良いという理由もあります。
建築物、ビルとか家でもいいんですが、 このドロドロのコンクリートを使う時をイメージしてみてください 。
このドロドロのコンクリートをビルや家の形に固めるために、 型を組み立てます。
簡単に言うと、 ゼリーとか氷を作ったりするときに何かの入れ物に入れてその形に固めるでしょ ?
それをビルでやっているイメージです。
ドロドロのものを“ある形”に固めるには、 漏れ出ないようにする"型"が必要です。
↑こういうの。なんか梁みたいなゼリーだな。
でも、建築物はゼリーと違って形が複雑で、 容れ物に入れて固められるほど小さなものではありませんよね。
ですから、現場で木の板(せき板)や鉄パイプなどを使って型枠を組み立ててコンクリートが漏れ出ないように、崩れないようにする作業が必要です。
では、実際の建設現場の型枠の写真を探してきました。From Google画像検索
↑こんな感じ。ここの木の板(せき板) の所にコンクリートを流し込んであるでしょ。
これを繰り返していけば建物が建っていく。
ビル以外にも橋やトンネル、 ダムなどいろんなところにコンクリートが使われています。
なんか簡単に聞こえると思うのですが、かなり危険で重要なお仕事です。
想像してみてください。
天井や梁の型枠が崩れて上から何トンものコンクリートがだばぁっと落ちてくる。
そのまま下に居る人がコンクリートの中に埋まってしまった。
気分はカセキホリダーの化石かな。
私が埋まってしまったら誰か掘ってくれや。
型枠がコンクリートの荷重に耐えきれず、固まりかけたコンクリート塊が上から崩落してくる。
これはくらったら即死でしょう。
いわおとしですよ。
↑はずれた!ってなればいいけど………
コンクリートは予想以上に重いです。 コンクリート塊を持ったことのある方はわかると思うのですが、 意外と小さくても持ち上げる時に「おっも…」とつぶやいてしまうほど重いです。
ということは、型枠にかかってくる力、 コンクリートの内圧も結構なものになります。
しっかりとした設計、計算に基づいて、強固な型枠を組んでおいてあげないと、打設するとき、または打設したあと大事故が起こる危険性があります。
規模が大きくなればなるほど大量のコンクリートを使うので、漏出や崩落してしまうと、大事故につながってしまいます。
コンクリートを支える型枠って超重要。
そんな危険で重要な作業なので、 わざわざ作業主任者というものの選任が求められているんですね。
では、講習の話になります。
講習内容は以下の4項目になります。
講習の最後にテストがあるのですが、その4項目に分けて出題されます。
テストは各々の項目で40%以上、かつ総合点で60%以上の正答率で合格です。
①型枠及び型枠支保工の組立て、解体等に関する知識
②工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識
③作業者に対する教育等に関する知識
④関係法令
テストは4択のマークシート方式で、記述はありません。
だいたい20問くらいです。
時間は30分程度ですが、 見直しをしっかりしたとしても15分くらいあれば終わります。
ほとんどの人が合格できるくらい簡単です。
難易度なんて無いに等しいと思います。
ただ、言い回しは注意ですね。
「適当であるものを選びなさい」と「 適当でないものを選びなさい」を確認してから回答しましょう。
この試験はしっかり問題を読めるかがポイントになってきます。
馬鹿にしているわけじゃないですよ?
まぁ、どんな選択肢かというと、覚えてる限りで例えば…
「型枠組立中の施工エリアの出入り口には“関係者立ち入り禁止” の表示を行う」
→関係者立ち入れなかったら、 作業員も入れないということで施工できないやろ…
「墜落制止用金具のD環に多少のゆがみがあったが、 使用に支障が無さそうであったので使用した」
→ダメじゃない?どう思います?そう、実はこれダメなんですよ。
「作業員には専門用語を交え、高圧的な態度で指示を行った」
→まぁその方がいい人もいるだろうけど、一般的じゃないよね。
「危険予知活動は、 意見がなかった場合は早々に切り上げて作業に移ってもよい」
→ 意見を出させていろいろ話あって危険予知をするのが作業主任者の役目では?と思うのですが、私だけですかね。
問題は、「いや、これはおかしいやろ」 と直感的に思ってしまうくらいの難易度です。
型枠に関する専門知識というのは意外と少ない… というか全然出ませんでした。
でも、こんな簡単な試験で作業主任者を任せられてしまう…
作業員のステップアップっていう意味合いもあると思うんですけど 、どうなんですかね。
エックス線やガンマ線、高圧室内作業や潜水などは免許(試験) になるのですが、型枠や掘削、酸欠、有機溶剤、 石綿などは講習だけで取れてしまう簡単なお手軽国家資格です。
一応、国家資格ですよ?
受けていると、こんなんで大丈夫かなぁと思ってしまいます。
作業主任者の責任は意外と重くて、事故が起きた時に一番に聴取される対象となっています。
もちろんやるべきことをしっかりとやっていれば問題ないのですが 、逆にやるべきことをやっていないと罰則などもあり得ます。
法律で規定されている「作業主任者の責務」ってやつね。
こんな簡単な講習を受けただけで、責任は重くなる。給料は・・・ ?どうなんですかね???
私は上がりませんけどね。
ちなみにテスト、私は94点でした。どっか1問間違えたんだなぁ…
採点結果が返ってこないので、 どこで間違えたのかわかりません。
6人居ましたが、誰一人として落ちた人はいませんでした。めでたしめでたし。
講習は2日間
場所は、いつものIHI技術教習所東京センター(東陽町駅/南砂町駅)
↑駅から徒歩15分か20分くらい。
時間は、8:30~17:30まで。
金額は、16,000円也(テキスト代含む)
土日開催なのがうれしいですね。
土日なら比較的仕事に支障が出ずに受講できます。
もっと他にも土日開催してくれるセンターがあればいいんですけどねぇ…
駐車場は、かなり早くいかないと埋まってしまうので、あまりお勧めしません。(1日1000円)
バイクか自転車が良いですよ。駐輪場は無料なので。
駅からも少し遠いですし、歩くのは結構時間かかります。(徒歩20分くらい)
この技術教習所の周り、なんにもないので、お昼休憩にご飯食べに行くときなど、原付があると便利です。
歩きだと最寄りのコンビニの往復だけで20分くらいかかります。( 片道10分ちょい)
土曜日は仕出しのお弁当を500円で購入できる( 朝に券売機で購入しておいて、お昼に交換するやり方)んですけど、 日曜日は仕出しのお弁当がお休みなので、 買ってくるか食べに行かないといけないです。
そういう時に原付や自転車があると便利。
私が行った6/27・28のうち、 土曜日は晴れていたのでよかったのですが、 日曜日は大雨で辛かったです。
どちらも原付で行きました。 お昼に駅前まで出ていけるのは大きい。
ということで何とか2日間の講習を終え、資格ゲット。
何枚もあっても仕方がないので統合してしまいました。
↑GETだぜ。欄が埋まってしまった・・・
ここまでやると逆に少し恥ずかしい気がする。
まぁなんだかんだで今年度初の資格取得。
多分ね。
今回はこのくらいにしておきます。